カウンセラーが開業前に最低限やっておくべきこと 執筆:矢場田 勲
「ヤバタさん、開業前にやっておくことは何かありますか?」
以前、開業を視野に入れているカウンセラーの方に質問されたことがあります。
くわしく話を聴いてみると、複数のカウンセリング養成講座を受講していて、
受講生をクライアント役にしての練習も豊富にこなしているということでした。
しかし、開業に踏み込めずに躊躇しているうちに数年が経ってしまったというのです。
ただ、もうそろそろ開業しないといけないという状況に追い込まれたようで
そのタイミングでたまたま私と話をすることになったのです。
そこで私がその方に語ったことは、
「真剣勝負の場を経験しておくことが大切だ」ということです。
講座の受講生相手にカウンセリングをするのと、
実際にお金を支払うクライアント相手では、
現場の空気感の次元が異なります。
まずは自分がクライアントの立場で、
自腹を切って真剣勝負の場を経験しておくことです。
自ら検索してカウンセリングルームを探し、
複数の候補の中から比較検討し予約します。
その時に、なぜ数あるカウンセリングルームの中からそこを選択したのか、
自身の感情と理性の動きを観察しておきましょう。
当日を迎えるまでの心境の変化、カウンセリングルームまでの行き方や所要時間の計算、
当日朝の緊張感、そしてセッション本番、終了後の帰り道、家に帰ってからの心境。
これらトータルで一つのカウンセリングだと思って、感情の変化を観察します。
最低でも5ヶ所は、自分で予約してカウンセリングを受けてみてください。
そうすると、講座を受けるだけでは見えないものがわかってきます。
この人はスゴイ!と思える人がいるかもしれません。
感動したことに関しては、自分が開業するときの参考にしましょう。
逆に「えっ、こんなレベルでもプロとしてやっていけてるんだ」
と驚くこともあるでしょう。
現時点での自分でも十分やっていける自信が芽生えるはずです。
・Webサイトでの予約の仕方がわからなかったので別のサイトに移った
・もう少し接客力を高めたら印象が違うのに
・カウンセリング中の音楽が雰囲気を壊してしまっている
・カウンセリング中に電話が鳴り響くなんて・・・
・次の予約を促されていたら、続けて通っていたのにもったいない
これらは実際に体験しないとわからないことばかりです。
真剣勝負の場では、いろいろと貴重な情報が得られます。
違和感があったことは反面教師として、忘れないうちにメモして今後に活かしていきましょう。
そして、今度は逆に知人やカウンセラー仲間に協力してもらい、
あなた自身がプロのカウンセラーとしての真剣勝負の場を経験しておきます。
協力者にPCやスマホであなたのWebサイトが見つけられるか検索してもらいます。
予約まで迷わなかったか、支払方法はわかりやすいか等、
実際のクライアントがするであろう行動を体験してもらいます。
当日のセッション、アフターフォローまであなた自身も本番と同じことを経験しておきます。
協力者にはフィードバックをもらい、改良を重ねてください。
これをやっておくことで、いざ実際のクライアントを迎え入れた時、
萎縮することなく持てる能力をそのまま発揮できるようになります。
開業前には、必ず真剣勝負の場を経験しておきましょう。
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