アドバイスを成長につなげる人、不満につなげる人 執筆:矢場田 勲
「あの人ばかり優遇されて腹が立つ」
私は毎年いくつかの講座に参加して、
自身のスキルアップ向上を図っています。
そして、講座が何か月か過ぎてくるころ、
冒頭のようなセリフが聞こえてくるようになります。
あからさまにハッキリと言葉に出している人は少ないですが
言葉に出さないまでも、あきらかに不満をため込んでいる人も見かけます。
私はかなり敏感な方なので、そういう人たちをすぐに察知してしまうのです。
仲良くなった人には、たまにですがそれとなく次のように注意する時があります。
「それって自分勝手になっていない?」
「えっ?」
相手は驚きます。
でも、理性的な人を選んで注意するので、大きくもめることはありません。
たまに人選を間違えて、嫌われてしまうこともありますが・・・
理性的な人には、続けて私の体験談を話します。
講師の方に質問すると、アドバイスをいただけます。
「ものすごい助かる」「なるほど」といった今欲しかった情報が得られるときがあります。
あるいは、褒められることもあります。
一生懸命、試行錯誤して作ったものを褒められたときは単純に嬉しいものです。
逆もあります。
後から冷静に考えると適切なアドバイスをもらっているにもかかわらず、アドバイスを受けた直後はムカッとくるときがあるのです。
私の中でムカッとくるときのパターンがあります。
一生懸命取り組んだものに対して、ダメ出しをもらったとき。
自分の要望が通るかもしれないと思っていたけど、アッサリ断られてしまったとき。
そういうとき、ショックな気持ちを全く表情に出さないときもあれば、あきらかに落胆していたり、焦っていたり、少々イライラしていることが出てしまっているときもあります。
大事なのはここからです。
昔から母親によく言われていた言葉があります。
「短期は損気よ」と。
人間ですから、予想通りにはならないことで、どうしてもショックを受けるときはあります。
でも、自分の一時の感情に振り回され続けていてはいけません。
どこかでハッと気づき、良かれと思ってアドバイスをくれた人に対して、お礼を伝えておくことが大切です。
冒頭の
「あの人ばかり優遇されて腹が立つ」と言っていた人は、もともと勘所が良いので、私の話の途中で気づかれたようです。
「自分が意図しない返答やアドバイスをもらったときに、返事を返してなかったです」
「そういえば優遇されていると思っていた人は、受け答えが上手いですよね」
その方とは、そのあと大いに盛り上がったのですが、
「なぜ、あの人は優遇されているのだろうか」という想いが沸いた時点で、少し冷静になって、自分を疑いたいところです。
不満ばかりだと一切自分の成長がありません。
百歩譲って、本当に講師がえこひいきしている場合はどうなのか。
やはり、そういった場合でも、不満ばかりでは、一切自分の成長はありません。
事実を重視して不満をためこむか、事実を今後の成長に活かすかは、自分で選べるのです。
いかなる状況であっても、自分の成長につなげるためには、「どういうふうに接したら長期的に良好な関係が気づけるかな?」と問いかけます。
そして、自分の言動を今までとは変えて、いろいろと試していけばいいのです。
他人の敷地で勝負して他人に振り回され続けるのか、自分の敷地で勝負して、自分で舵取りしていくのか、人は選ぶことができます。
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