お金をふやすための知識(3) 執筆:川淵 ゆかり
老後2,000万円を作るには。
みなさん、こんにちは。
老後2,000万円問題が話題になって、iDecoなどのセミナーが人気ですね。
「貯金じゃ増えないし、iDecoなら大丈夫かなぁ。」
ですが、iDecoをやれば必ずお金が大きく殖える、というものではありません。
お金を殖やすには、金利が重要になってきます。
↓
せっかく積み立てをスタートするのであれば、金利を意識しないといけません。
老後2,000万円を iDecoでシミュレーション。
会社員の iDeco の毎月の掛金の上限は23,000円です。
(企業型確定拠出年金に加入している会社員は毎月20,000円が上限となります。)
もし、会社員が毎月23,000円を新入社員(22歳)の時から60歳までの38年間で2,000万円の老後資金を作ろうとすると、約3%超の年平均利回りでの運用が必要です。
3%って結構大変です。
「元本割れが怖い」と言って安全性を重視した運用になってしまうと
超低金利の日本ですから、3%というのはかなり高い壁になってしまいます。
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また、38年という長い期間も問題です。
初任給から毎月23,000円を掛け続ける、というのは結構大変ですよ。
「正社員で」「自宅から通って」「奨学金の返済もなくて」、
といった人なら余裕で掛け続けられるでしょうが、
今の時代はこんな恵まれた人はあまりいないのではないでしょうか。
それに、20代前半で老後のためのお金にはなかなか意識はいかないものです。
「老後資金の前に結婚資金を貯めないと。」
といった感じですよね。
うまく新入社員の時から積み立てを始められたとしても、
38年間も毎月続けるのはかなり大変です。
途中で給料がダウンしたり、病気や介護で予想以上のお金がかかったり、
住宅ローンが家計を圧迫したり、子どもの教育費が予想以上にかかったり。
先のことは長ければ長いほど見えにくいものです。
途中でどんなにお金が必要になっても、原則的に60歳になる前に解約して現金として引き出すことができない、といったデメリットが iDeco にはあります。
iDeco は節税効果は大きいですが、大きく殖やしていくにはそれなりの努力も必要になります。
米国利下げの悪影響。
最近、特に不安なのは米中の貿易摩擦の影響です。
影響は金融市場に波及してきて、世界経済の減速懸念が強まってきました。
円高に拍車がかかり、株安へと繋がってきています。
また、日本の長期金利も8月に入って下がっています。
株価が下がったり、金利が下がったりすると、当然資産運用に影響が出てきます。
他にも、将来受け取る退職金や年金にも大きく影響してきます。
退職金や年金に影響が出てしまうと、自分で準備しなければならない老後資金の額はさらにふえてしまいます。
(近い将来、老後3,000万円問題になるかもしれません。)
円高のメリットを利用する。
米中の貿易摩擦の問題が長引けば、今後も円高やマイナス金利に拍車がかかります。
今年は、消費増税もありますからね。
ちょっと、今年後半の経済への影響が怖いです。
ですが、円高の時期というのは外貨に換えるチャンスの時期でもあります。
まとまったお金があるのであるなら今の時期に外貨に移し、今後の円安のタイミングで利を得ることを考てみれば、「円」に固執することもないでしょう。
金相場も上昇していますね。
また、老後資金作りのための積み立ても iDeco だけに限る、ということはありません。
世界に目を転じて金融商品を探していけば、もっといいものはたくさんあります。
今あるお金をどう活かすか、定年までの時間をどう活かすか、
広い目で見ることで、お金は大きくふえるチャンスがあります。
それでは、また。
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幸せ人生100年を送るためのゆとりマネープランナー
川淵ゆかり事務所
ファイナンシャル・プランナー 川淵ゆかり
日本FP協会 CFP®
厚生労働省 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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